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ナゾのテントウムシ

毎年の今頃、中野区の江古田の森公園には1回程度行っているが、今年は公園管理が徹底された影響か、虫が極めて少なかった。地面に転がっていた倒木が片付けられ、草が刈られ、朽木が切られ、枝切りも行われた様子だったが、これでは虫の越冬場所は無いなぁ・・・・という印象だった。そんな江古田の森公園を早々に切り上げて、西落合図書館で虫図鑑を見た後、住宅街の小さな公園に立ち寄った。どんな街にもあるごくありふれた公園だったが、他の公園よりもややケヤキの本数が多く、ケヤキが太いことが気になって、樹皮を何枚かはいでみた。すると・・・・・



コクロヒメテントウ、ヘリグロテントウノミハムシに次いで、何やら見たことの無いテントウムシが出た。測ってみると大きさは3.2ミリ。コクロヒメテントウよりは大きく、ヘリグロテントウノミハムシは小さかった。
採集して自宅でじっくり見てみると、赤紋は翅の付け根部分に1対のほか、上翅の両脇にも小さな紋が1対あるのが分かった。翅の付け根部分に画像のような逆三角形の紋が見えるものといえばヒメカメノコテントウを思い出す・・・・が、ヒメカメノコテントウの上翅にこんな微毛は見えないし、何より体形が違う。顔を見ると色は白い。胸部背板の肩部には幅の狭い白紋が見える・・・・この部分はフタモンクロテントウに似ている。しかし、フタモンクロテントウとは全然紋の形が違う。個体変異かもしれないが、こんな変異のパターンは知らない。裏返すと、腹面はうっすらと赤い。脚は腿節が黒く、脛節より先は白に近い黄褐色。触角も同様に白に近い黄褐色だが、口器は色がよく見えない・・・。たまたまブログでは最近微小テントウの記事を書いて、そのときに他のテントウについてもいろいろ調べたし、本種の採集直前には偶然にも北隆館の虫図鑑の、テントウムシのページをじっくりと見ていた。しかし、本種のような特徴をもつテントウムシは載ってなかった。本種を自室で撮影後、東京都本土部昆虫目録に記録のある未見種を検索したり、全ての属名を検索して海外の画像まで見たりしてみたが、やはり本種に似たものは見つからなかった・・・・・。テントウムシは外見が酷似したものが多くてどれだろうと迷うことは多い・・・・が、外見の似たものが見つからないというのは珍しいことだと思う。しかも、見つけたのがご近所。うーーむむ、23区内もなかなか侮れない。・・・・というか、これ、どうしたものか。とりあえず採集した個体は、今も容器の中で歩き回っている。逝ってしまった後も、一応保存しておいた方が良いかな?
本種について、「ああ、それなら知ってる」という方がいらっしゃいましたら、是非情報をお寄せ下さいませ。



PS:その後もずっとナゾのテントウムシについて考えていたが、ひょっとするとこれ、ヒメテントウの類じゃなくて、 ヨツボシテントウ(Phymatosternus lewisii)の個体変異なんじゃないだろうか・・・・という気がしてきた。サイズ的には範囲内だし、ナゾのテントウの赤紋がある部分にも赤色はある。ヨツボシテントウの会合部と後方の黒色部が肥大していったら、こんなふうに赤色が残る可能性はありそうな気がする。べダリアテントウの可能性も考えたが、腹部や顔の色なんかは一致しない。しかし、ヨツボシテントウなら、顔の白色、脚の各節の配色、触角の淡黄褐色、胸部背板の肩部の白色、腹面の赤色など、背面の4つ紋との違いを除けば全てが一致する。ヨツボシテントウならケヤキ樹皮裏に居たのもうなづけるし、数は少ないものの都市部にも居ることはあるだろう。
とりあえず、ヨツボシテントウの和名や学名で画像検索しても同様の変異体は見当たらないが、個人的にはこの推理で当たっていそうな気がする。DNA鑑定か生殖器の比較が出来ればはっきりするだろうが、私には術が無い。

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No title

ezo-aphidさん、こんばんわ。
保育社の図鑑を調べていただき、ありがとうございます。近くの図書館に北隆館の図鑑はあるのですが、まれに保育社は旧版の図鑑があったりするくらいで、有効な情報がなかなか得られずにいました。
今回の推理については、腹面の赤色がかなり大きなポイントだったのですが、23区内の普通の公園で見つけた個体なので特別な種類ではないだろうという安易な発想も少なからずありました(笑)。
これがヨツボシテントウの変異の1パターンであれば、上翅に淡黄色が混じる南方に多いパターンに対して、研究者にとって興味深い一例になるかもしれませんね。

No title

うーむ、ごりっぱです。
佐々治さんは、保育社の甲虫図鑑259頁に、「まれに小楯板わきの小赤紋を残して黒化することがある」と記しています。上翅の両脇(中間部の)小さな紋については触れられていません。
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Author:フッカーS
東京都在住。
東京23区内にどんな虫たちが生息しているかを、自分で探して確認することにこだわってます。本格的な求虫道に入って5年目ですが、虫の世界は奥が深く、分からないことだらけです。
写真は100%コンデジで撮ってます。
当ブログでは、学名は特にイタリック体で書いていません。

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