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謎のハムシ-その3





採集した個体の後脚腿節の形状から、亜科はノミハムシ亜科(Alticinae)と思う。実際、採集個体の背中を突くと、何匹かは大ジャンプした。さっそく保育社の図鑑の該当ページを見てみた。
採集個体の体長は3.5ミリ前後で、寄主植物はカラタチ。これらのデータや胸部背の形状の違いなどから、スイバトビハムシやカタバミトビハムシなどの Mantura属は候補から消えた。ヤハズトビハムシ(Dibolia japonica)とは、体長が一致しないほか、頭部・体腹面の色が違う。最も似ていると思ったのは、沖縄本島以南や台湾などに居るというレモントビハムシ(Clitea metallica)だった。こちらは背面から見た印象のほか、寄主植物が同じミカン科(レモントビハムシの寄主はヒラミレモン(=シークヮーサー))だとか、体長が近い(レモントビハムシの体長は2.5~3.3ミリ)など、似通った点が多い。しかし・・・・
さらにレモントビハムシについて調べてみると、頭部の色が一致しない(保育社の図鑑では「頭部は青緑色の頭頂を除き赤褐色」とあるが、本種は全体が赤褐色)。1966年に木元氏が書かれた文献では、学名は同じ「Clitea metallica」でありながら和名が「ミカンノミハムシ」とされる種類が報告されている。こちらは同じヒラミレモンに付く種類ながら、体長が2.5~2.8ミリとやや小さめで、「頭部は前半部は赤褐色で、後半部は背面部とほぼ同様の色彩」となっていた。背面が強い点刻を有し、会合部近くの短い点刻列と外縁部に沿った列を合わせて点刻列は11列。小楯板はほぼ三角形で表面は平滑。鞘翅は中央部でほぼ平行。触角は複眼に近接・・・・と一致する点が多い。しかし、図示されている幼虫の外見的特長が異なっている。何より「幼虫は常に糞を体背面に背負い」「成虫・幼虫ともに葉の表裏両面より食害を加えていた」と、生態がまるで違う。本種の場合、幼虫は葉の内部を食べ進み、体背面に糞は背負っていない。本種の幼虫は、外見も葉の食べ方も、ヘリグロテントウノミハムシの幼虫にそっくりだ。同じ学名のレモントビハムシとミカンノミハムシの違いはよく分からないが、少なくとも本種が Clitea metallica で無いのは間違いなさそう・・・・。所属としては今のところ Clitea属が最も近そうだと感じるが、幼虫の生態がけっこう異なっているので近縁の別属かもしれない。



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No title

枸橘潜叶甲(Podagricomela weisei)の中国語の文献を翻訳してみました。

原文>

成虫体长2.8~3.5mm
宽椭圆形,头黄褐色,前胸背板及鞘翅为金属绿色,足黄色。
该虫鞘翅与恶性叶甲较相似,但枸橘潜叶甲呈阔椭圆形,
背面呈翠绿色;恶性叶甲呈长椭圆形,头大部为金属色,
仅前端为淡棕黄色;极易与之识别。
卵:单粒产在叶的反面,以尖端最多。
呈椭圆形,初产时深黄色,后变为粉白色。
幼虫:共3龄,体扁平,头黄色,头部色较深。
从初孵开始即钻入叶内,向前取食叶肉,残留表皮,形成隧道,虫害体清晰可见。
蛹:体长3.4~3.6mm,深黄色。

复眼黑色,小盾片淡红色,触角丝状11节,基部4节黄褐色。
一年发生1代,3月下旬至4月上旬成虫出蛰,幼虫为害期在3月末至5月中旬。

-----------------------------------
翻訳>

枸橘(カラタチ)に潜るトビハムシ Podagricomela weisei

成虫体長=2.8~3.5mm
広いだ円形,頭は黄褐色,前胸背板及び鞘翅はメタリックグリーン,脚は黄色。
鞘翅は Clitea metallica に似ている,ただし Podagricomela weisei は広いだ円形,
背面はヒスイに似た绿色;Clitea metallicaは長いだ円形,頭の大部分は金属光沢がある,
前の端のみは黄褐色;簡単に見分けられる。
卵:単一の粒は葉の裏側に産みつける,先端な最多によって。
だ円形,産んだばかりの卵は深い黄色だが、その後粉白色になる。
幼虫:3龄を経る,体は扁平,頭は黄色で,頭部の色は比較的に深い。
葉内で孵化すると穿孔し始める,前へ食べた葉肉を取る,表皮を残す,トンネルを形成する,虫害は明瞭に見える。
蛹:3.4~3.6mm,深黄色。

複眼は黒色,小楯板は淡い红色,触角は糸状で11節,基部4節は黄褐色。
年一化,3月下旬~4月上旬に成虫が冬眠から覚める,幼虫の食害は3月末~5月中旬。

うーーん。説明だけ読むと、特徴はそっくりです!
これで外見が一致すればもう決まったようなものなんだけど・・・・
しかし、代表的で重要な果樹食害虫なのに、画像が一枚も引っかからないのが不思議でなりません。こういう虫こそ一般にも広く知らしめるべきだと思うんだけどなぁ・・・・・。

No title

改めて、情報ありがとうございます。
画像検索中に引っかかったページでした・・・・「旧北区トビハムシ類の属検索」だったんですね(そうとは知らずスルーしてました。汗)。
なるほど顔が違いますね。
改めて撮影画像を見てみると、頭頂部の板と頭楯部分の板の間に境界線のようなものが見えるので、Podagricomela属に近いのかもしれません。ただ、画像が不鮮明だったので改めて標本の頭部を撮ってみたところ、死亡後に体色が黒化していて生態写真より鮮明なものは撮れませんでした。
画像検索で出てくるPodagricomela属の画像は、成虫に関してはやや違和感がありますが、横から見た厚みのある体の印象は似ている気がします。幼虫に関しては、外見はもちろん、食事スタイルも似てますし、食べる植物の種類も同一とあって、幼虫のみで選ぶならこれに決めてしまうと思うほどです。
とりあえず、もう少し調べてみます。

これかなぁ2

「旧北区トビハムシ類の属検索」(下記)によれば、Clitea属とは顔に違いがあるようです。左右選択のうち、右を選び続けてゆけば8回目でClitea属にたどりつき、そこで左を選べば、Podagricomela属が見られます。
www.sel.barc.usda.gov/Coleoptera/fleabeetles/key3.htm

なお、P. weisei は属の代表種で、先にご紹介した報文213頁には、寄主として Citrusミカン属、Poncirusカラタチ属があげられています。
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フッカーS

Author:フッカーS
東京都在住。
東京23区内にどんな虫たちが生息しているかを、自分で探して確認することにこだわってます。本格的な求虫道に入って5年目ですが、虫の世界は奥が深く、分からないことだらけです。
写真は100%コンデジで撮ってます。
当ブログでは、学名は特にイタリック体で書いていません。

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