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ご近所のクロヤマアリは本当にF. japonicaか?

まだ6月というのに暑い日が続くので、なかなか寝付けない深夜に屋外で涼むついでに、自販機などの灯りに来ている夜行性の虫などを見ることが多くなっている。ここ最近目立つのは羽アリたちで、出かけるたびに見かける顔ぶれが異なっていたりして、なかなか楽しい。

(左から、オオハリアリ有翅オス(6/6)、トビイロシワアリ有翅メス(6/7)、ムネボソアリ有翅オス&メス(6/11)、同(6/11))

深夜ということで照明が足りないため、見慣れた虫であっても一応採集し、明るい室内で再確認したりすることも多いのだが、それが思わぬ疑問に繋がることがある。今回、疑問を感じたのは、都内各所でごく普通に見かけていたクロヤマアリだった。



6/14の深夜に、近所の歩道脇で見つけた羽アリの集団。帰宅後に細部を見てみると、クロヤマアリの有翅メスだと分かった。複数匹が群れていたし小さめに感じたのでてっきりオスだと思ったが、実際はメスだったことにまず驚いた。ふだん、明るい陽射しの下でごく普通に見かけている種類なので、細部を見るまでも無くスンナリと同定出来るはずだった。しかし、採集した個体の細部をチェックしたとき、何となく違和感を感じる部分がいくつかあって、予想外に悩むこととなった。
まず、体長が明らかに小さいということ。クロヤマアリの女王はおおよそ10ミリと聞いていたが、採集した個体は大きさが8ミリ弱しかない。クロヤマアリより小さい別のヤマアリ属も考えてみたが、タカネクロヤマアリ(F. gagatoides)は分布域が違う、ヤマクロヤマアリ(F. lemani)は羽アリの飛出時期が違う、ツヤクロヤマアリ(F. candida)は体の光沢が違う。ご近所で見ることがあるヤマアリ属では、ハヤシクロヤマアリ(F. hayashi)が居るが、そちらは体長がクロヤマアリよりもひと回り大きい(女王=10~12ミリ)。
腹柄節を横から見たときの形状はハヤシクロヤマアリに近く、腹部第2節背面上に立毛がほとんどない見えないところもハヤシクロヤマアリに近い。しかし、前述のように体長がハヤシクロヤマアリよりもはるかに小さいし、腹部背面を見たときの色の印象はハヤシクロヤマアリよりもクロヤマアリに近い(金色っぽい感じは無い)。真正面から見た頭部の形状も、ハヤシクロヤマアリのような面長ではない。
クロヤマアリは、関東型は単雌で体長が比較的大きく、関西型は多雌で比較的小さいと言われている。しかし、クチクラの炭化水素を比較すると、日本のF. japonica は4 タイプに分かれるという情報がある。今回見かけた個体は、体長が小さい上、一箇所に群れていた羽アリが全てメスだった。その点からすると、関西型の種類に近い気がする。それに対し、アリ同定の参考にしている「日本産アリ類画像データベース」の情報は、併記されている参考文献に「Tokyo」という単語が見えるので、関東型がタイプ標本となっていて、それについてのデータを記しているのかもしれない。同一種と思われていたウメマツアリの多女王短翅型と単女王長翅型も最近別種ということになったが、同様にクロヤマアリも関東型と関西型が別種だとすれば、「日本産アリ類画像データベース」に書かれた同定ポイントが関西型には当てはまらない可能性もある。今後、クロヤマアリの分類が細分化されるとすれば、少なくとも2種、多くて4種ほどになるのだろうか・・・・・まあ、それまでは、とりあえず今回の個体も含めて「クロヤマアリ」としてファイルしておこうか。実際に4種になったら・・・・・今回のようにその違いに気付けるかどうか、その自信は全くありません・・・・・orz

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No title

ご来訪&コメントありがとうございます。
東京都内のクロヤマアリで、「小さいと感じる女王」を撮ったのは今回が始めてでした。過去に撮った写真ではオスの羽アリしか体長を測っていませんでしたが、過去に撮ったオスの羽アリのサイズは今回撮った女王くらいの大きさがありましたので、おそらくこれまでにあちこちで普通に見かけていたのは大型の集団だと思われます。今回の小型タイプについては、徐々に都内でも数を増やしているのか、それともたまたま人為的に運ばれただけなのか・・・・まだはっきりとは分かりませんが、今後も継続的に観察して自分なりの結論を導いていきたいと思ってます。
関東型と関西型、どなたかが細部の比較画像などアップロードしてくれるといいのですが・・・・・アントルームにでも一度リクエストしてみようかなぁ。

No title

はじめまして、アリのブログにコメント頂きありがとうございます。
クロヤマアリの有翅メスの大小のタイプに気付かれるって凄いですね。
関東でも小型タイプがいるのかどうか気になっておりましたので「お~っ!」って感じです^^。
今後どのように分類されていくかも気になります。
外見上での同定ポイントが示されると良いのですが・・・。
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Author:フッカーS
東京都在住。
東京23区内にどんな虫たちが生息しているかを、自分で探して確認することにこだわってます。本格的な求虫道に入って5年目ですが、虫の世界は奥が深く、分からないことだらけです。
写真は100%コンデジで撮ってます。
当ブログでは、学名は特にイタリック体で書いていません。

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